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地方建設業の井木組さんにインタビューしてきました!
今回は、鳥取県の琴浦町に本社がある井木組さんにインタビューしてきました。
今回は、地方建設業に興味のある学生向けに、地方建設業の魅力や就職活動の考え方等についてインタビューしてきました。地方で働きたいけど地方の建設業で働くイメージがわかないといった学生の今後の参考になれば、幸いです。分量が多いので、前後編に分けて投稿させていただきます。
今回は主に井木社長にインタビューさせていただきました。
井木敏晴社長

他の職種である(公務員やコンサル)と比べて、ゼネコンの仕事のどこに魅力を感じていますか?
建設業の魅力を一言であらわすなら、「地球をキャンパスに仕事をする職業」です。具体的には、6つの魅力(喜び)があります。
1つ目は、「達成感」です。工期は、1年から長いものだと2年以上かかり、工事が完成したときは喜びを感じます。
2つ目は、「技術力」です。技術力は時間をかけて身につくものですが、完成検査を受けて、無事引き渡しができると、自分の技術力が発揮できた喜びを感じます。
3つ目は、「誇り」です。造ったものが後世まで残る喜びを感じます。
4つ目は、「社会貢献」です。利便性の向上や災害時の行動など造ったものが社会や人の役に立つ喜びを感じます。
5つ目は、「人とのつながり」です。発注者の方や職人さんなど様々な方とやりとりを行い、コーディネートする仕事です。仕事を通して、多くの人たちとの信頼関係ができる喜びを感じます。
6つ目は、「自分の成長」です。今までできなかったことができるようになる喜びを感じます。
地方と都会で働くことに違いはあると思いますか?
あります。「人」、「工事規模」、「地域密着」の3つが主に違ってきます。
まず、「人」です。都会では、多くの人と接します。都会にいることで、自信に意欲があれば刺激を受けたり、学んだりする機会は得られやすいです。ただし、どんな人と巡り合い、どう影響を受けるかは自分次第です。
次に、「工事規模」です。都会で働くことを大手建設会社で働くこととするならば、六本木の開発や東京タワーの建設といった歴史に残るようなプロジェクト工事に携わることへの可能性は高いです。しかし、その中ではある一部分を担当するスタッフ的な仕事が主体になり(=分業制)、プロジェクト工事の全体像が見えにくい。
最後に、「地域密着」です。地方の建設会社で働くことは地方で暮らす人の生活に密着した工事を担当することになります。工事完成後も携わった仕事を目にすることもでき、技術者としての充実と満足度は高くなります。
社長さんは、大企業で就職した後、井木組にUターンされたということで、大企業の特徴は何ですか?
大企業の特徴は4つあります。
1つ目は、大きな仕事、高度な技術を要求される仕事に携われる機会があります。地方の中小建設業は、ダムやトンネルといった大規模な工事には、JVでくっついたときに携わる程度で、機会は少ないです。
2つ目は、社員が多いため様々なタイプの人に出会えます。つまり、人脈もできるが競争も激しく、派閥もできやすい。ただし、工事規模が多岐にわたるため、技術者同士の交流は、限定的になります。
3つ目は、組織で役割が定まっていて、上下関係もはっきりしています。また、異動や転勤が頻繁にあり、単身赴任も普通です。建築の場合は、人のいるところに作るので、比較的都会に住むことができますが、土木は、山の中や海のそばといった人里離れたところに転勤することもしばしばあります。また、現場を転々とするため、会社全体のことは、把握しづらいです。
4つ目は、待遇・福利厚生レベルは中小企業に比べて高いです。中小企業は、2~3億円程度の仕事しかしない一方、大企業は、大きい仕事をします。1億円の仕事をするときに、現場監督は2名要りますが、20億の仕事をするとき、に現場監督40人も要りません。10人程度でよいです。利益率が良いのは、どちら一目瞭然です。
前編は以上になります。いかがでしたか。建設業の魅力や大企業と中小企業の魅力について、実際働いたことのある社長さんからお話をうかがうことでき、進路選択に悩んでいる学生にとって参考になったのではないでしょうか。後編では、県内企業としての井木組の魅力や就活に向けてのインタビューを掲載いたします。後半もお楽しみに。
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