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どうして土木の職業に就かれたのですか?
難波さん
昭和40年代、私が中学・高校の頃はちょうど高度経済成長期で新幹線や高速道路など社会インフラが整備されていくところでした。土木は第二志望でたまたま引っ掛かり、入ってみたらちょうど時代も良かったんです。私は県外の大学に行ったのですが、30歳くらいまでには鳥取に帰ってこようと思っていました。そのころ思っていたのは、建設業であれば日本全国どこへ行っても、食いはぐれることはない業種だということです。いろんなところに行って、いろんなことを経験したいなという思いがありました。あと、外が好きで、中で作業をするより、外に出た方がいいと思っていました。それで、建設業の現場回りをしたいと思いました。なので、役所に行こうという気持ちはなかったし、コンサルもいいかなとは思ったのですが、コンサルも仕事は内業中心なので、あくまで最初からゼネコン志望でした。入って後悔はありません。
前田さん
私が馬野建設に入ったのは今から19年前なのですが、建設業に携わるとは全く思っていませんでした。大学は自衛隊関連の大学でしたし、自衛隊を辞めてからは、スポーツ会社に数年務めていたのですが、ずっと神戸に住んでいて、その後家庭の事情で30歳を過ぎて鳥取に帰ってきて、都会でもらえるような給料の就職口がなかったです。しばらくは、実家がやっていた建築の基礎工事と、おじさんがやっていた左官業を手伝いながら、二級建築士を勉強して取りました。ちょうど建設業が傾く時期で、親の仕事もだんだん無くなってきて、近くで建築士を活かせれるような会社に入らなければということで、地元企業で探すことになりました。友人が商工会にいたのであたってもらい、馬野建設の就職試験を受けた時に「営業じゃないと今いらない」と言われ、僕としては建築技術者になりたくて面接を受けたのですが、家庭と両立していけそうだなと思い入社しました。営業している中でも、技術的なことも勉強しなければという思いもあったし、会社としても資格を持っていたら有利になるので、2年に一度は国家資格を取ろうと思い、いろいろな資格を取りました。本当に最初は親の仕事を手伝わなければいけないし、仕事を手伝う中で勉強しないと非効率だし、親は「お前は黙っとけ」ということを聞いてくれないので、勉強して自分で何かやろうという思いでした。まず建築の勉強をして、そこから土木や不動産をしたのですが、結果的にいろいろなことを勉強して良かったかなと思っています。
横山さん
僕の場合は、大学にいたときも就職何にしようかと全然何も決まらなかった状態で、銀行等いろいろな会社をみて回りました。建設業というのは全然頭になく、頭に入ったのが、普通に周りを見たときに物を作るというのは素晴らしいことだなと思ったときでした。父親が建設に近い仕事をしていたことや実家を馬野ハウジングで建てたこともあり、京都にいたのですが地元に帰りたいと思い、一つ一つのピースが合わさり馬野建設を受け入社した感じです。そこから、自分が本当にやりたいことはしっかりと決まっていないのですが、会社に貢献できるような人材になっていきたいなと思います。
春山さん
簡潔に話すと、11歳の時(2011年)に東日本大震災があって、それを見て人の命を守るハード防災・ソフト防災がやりたいなと思ったことが土木を知った原点になります。もともと建築がやりたかったですがデザインが苦手なので建築は諦めました。その時に、東日本大震災もあって土木の分野を目指そうとなり、中学校から目指しはじめ、鳥取大学の土木科に入学し、そこから気持ちはずっと防災をやりたいと思ってきました。入社するときは防災がやりたく、物を作って人々の生活を守るということをやりたかったので、行政やコンサルではなくゼネコンにしました。正直に言うと、作業員がやりたかったけど、大学に行ってまで作業員をするのもな、という思いもあり、現場監督をすることにしました。
土木を志望された理由は分かったのですが、春山さんが鳥取に残り、馬野建設に入社しようと思ったのはなぜですか?
春山さん
出身は大阪なのですが、大阪就職は考えませんでした。大学1年生の時は、都会以外の全国が就職地候補という考え方でした。その時に、ツナガルドボクに出会って、建設業界について勉強する機会を自分で増やせたし、ツナガルドボクが地域活性という部分にも着目していたので、自分もそこにより熱が入り、鳥取いいよねと言っている自分が鳥取に就職しないのも意味分からないよねというのが、鳥取就職を選んだ理由です。家族は、大学に進学した時点で自由にどうぞという感じだったので、全国の就職地を絞りました。僕は土木というのは決めていて、地域から絞っていったのですが、その中で鳥取県というのは絞れたので、そこから後は企業を探していくのですが、東部は大学で住んでいたのでもういいかなと思い、中・西部の企業を見て、自分がいいなと思う企業があればそこにしようと決めました。そこで、インターンシップに何個か参加したところ、馬野建設のインターンシップが一番自分の中で良かったので、入社することにしました。ちなみに家族は大阪にいないので、大阪に帰る理由は本当に何もなくて、友達がいるということぐらいですが、今の時代会おうと思えば、オンライン等でいつでも会えるのでいいかなと思いました。
質問が少し似ていますが、鳥取に就職するメリットは何だと思いますか?
前田さん
実家がすぐ近くなので何とも言えませんが、都会にも住んだことがあるので、思うのは子育てがしやすいということです。僕の場合は、神戸にずっといて子供を保育園に入れられなかったです。当時は待機児童の数がすごくて、私立の保育園に入れたらすごくお金がかかりますが、地元に夏休みで帰ってきたら、自分が年長の時の先生がちょうど園長先生になられていて、「すぐに帰ってきない、お盆明けから入れてあげるから。」と言っていただいて、そういう融通の利くところが田舎のいいところだと思います。また、自然が多いので子供が小さい時にはカブトムシを採ったりだとか、山や海に行って遊んだりもできるし、地域の人づきあいも暖かいです。自分が溶け込んだら行事等楽しいことがたくさんありますし、子供がかわいがってもらえます。当然、都会に比べたら給料は高くはないですが、その分家賃が高いわけでもないですし、そういった面ではメリットはあるかなと思います。
難波さん
20代の若いころで言えば、海も山も近いので、夏は海で遊び、冬は大山に行ってスキーができます。逆に、都会に行った人たちは、鳥取には若い人の遊ぶ場所がないと言います。「イオンもないところによく住んでいるな」と言われます。今はイオンに車があれば30分で行けますが、昔は倉吉から1時間くらいかかっていました。しかし、都会でも、電車で1時間くらい結構移動していかなければ、そういった遊ぶ場所はありません。この辺り(倉吉周辺)であれば、車で30分あれば、海でも山でもどこでも行けますので、遊ぶことには困らないので、鳥取の方が絶対に良いと思っていました。
前田さん
近年Iターンの学生さんが就職するということがなかったので、いろいろ規程等を設けていなかったですが、春山君が入社するということで、家賃補助の新しいルール等も整備しました。今後、Iターンの学生さんが入社するか分かりませんが、春山君が働きやすいように規則を変えていこうと思っています。
横山さん
僕は京都に結構住んでいたのですが、その時は何でも周りにあります。でも、何でもありすぎると逆に動きません。また、都会は治安も鳥取と比べてよくないです。鳥取に帰ってくると治安が良いし、安心できて静かに眠れます。また、親などに何かあったときもすぐに対応できるし、近くに友達もたくさんいるので、そういう面で都会に行くなら旅行でいいなと自分の中でできてしまいました。あと、都会は物価が高いというのがあって、家賃を払わなくてもいいということもあり自由に使えるお金は実家に住んだ方が結構貯まります。
春山さん
僕はこの前高校のOB会があって、大阪に行ったのですが、その時に、都会の人は競争心が相当高いなと思いました。良いか悪いかはその人次第だと思いますが、鳥取は競争心をあまり表に出さない感じなので、自分のペースで働きたい人や自分のペースで生活したい人には、鳥取は相当生活しやすいのかなと、大阪に久々に行って思いました。あと、横山さんが静かに寝れることとおっしゃってましたが、確かにそうだなと思いました。大阪の時はとてもうるさかったなと思って、今住んでいるところ(鳥大周辺もですが)の21時は24時と同じぐらいなので、夜が安心できるという部分も大きいのかなと思います。かといって、生活するうえで必要なものはあるので生活できないレベルではないし、生活するうえでこれほしいと思うことは今のところエディオン以外はないです。今住んでいる場所は電化製品屋さんがあまりないので、電化製品が好きな人からしたらちょっと残念ですが、それくらいです。その分自然が豊かで、海の幸も美味しいし、そういったところが鳥取に来ていいところだなと思います。
インターンシップで来た時と実際入社して異なったことはありますか?
春山さん
違ったことは特に無いです。強いて言えば、残業が増えたことです。
春山さんは、馬野建設さんに「企業探し」としてのインターンシップ、馬野建設さんに内定が決まってから、「入社前研修」という意味でのインターンシップの計二回、インターンシップで訪れたようです。自分自身がここで働くことになったとして、どういうことをやるのか、もしくは、やりたいのかというようなことをインターンシップ中、常に思い描くことが「異なった点」を生まないために大切なことであると春山さんは仰っていました。
先ほどの残業の話についてお願いできますか?
難波さん
段々と残業時間は減ってきています。
春山さん
残業時間についてもそうですが、自分の人生設計に合わせて仕事を探すべきです。
学生のうちにBIM/CIMの勉強は必要ですか?
春山さん
学生のうちから学べるなら学んでおいたほうがよいです。何の話をしているのかを理解することがやはり最も大切なため、言葉の意味の理解が特に大切です。就職するまでにこれだけでも取り組んでおいてほしいと思います。現場監督官はBIM/CIMなども含めたPCでの作業が大変重要になってきます。
難波さん
BIM/CIMについてちゃんと理解している社員はまだ少ないです。今、求められているのはこのBIM/CIMの技術をどういうことに活用できるのかということを考えることです。DX化が急速に進んでいるため、デジタル化に対応していかなければなりません。
今後、新卒学生の採用をどういう風に進めていきますか?
前田さん
はっきりとは決まっていません。就職に特化したサイトの新設、教育訓練のバックアップ制度についてのコマーシャルなどを考えています。
今後の目標をお願いします。(春山さんへ)
春山さん
一人前になることです。任されている分野の仕事を引っ張って行けるようになりたいと思います。また、大きな目標としては鳥取の田舎の良さを残しつつの発展です。
最近の若い人へひとことお願いします。
難波さん
受動的ではなく、もっと能動的に動くことが大切になってきます。指示されたことをやるだけでなく、もっと欲を出してほしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
前編をお読みでない方は、ぜひ前編もお読みください。
馬野建設株式会社様のHPも是非ご覧ください。