鳥取県庁県土整備部の仕事の魅力、やりがい、今抱えている課題とは?Part1

鳥取県庁県土整備部の仕事の魅力、やりがい、今抱えている課題とは?Part1

2021年9月に、オンライン(ZOOM)を通して、鳥取県庁の県土整備部に勤めている藤井さんと津茂谷さんにインタビューをしてきました。

鳥取県庁の県土整備部の仕事の魅力、やりがい、今抱えている課題のほか、普段だったら聞けないような仕事の話など、いろいろな話を聞くことができたので、それを紹介したいと思います!

将来、鳥取県庁の土木技術職を目指している方、土木技術職に興味がある方、公務員(土木技術職)はどんな仕事をしているのかあまり知らない方は、ぜひ一度読んでほしいです!

質問の量等が多かったので、Part.1、Part2、Part3の3部構成とさせていただきました。

(左:津茂谷さん 右:藤井さん)

鳥取県庁の土木技術職では、どんな仕事をしているのですか?

津茂谷さん

主な仕事は、公共施設のインフラ(道路、河川、港湾、空港)の整備です。他に計画案の作成、それを基に業者に発注、発注した工事を予算や技術面をみながら現場監督をします。

それに加えてインフラ(道路、河川、港湾、空港)の維持管理をします。

また、特に重要なのは災害の対応です。災害が起きた場合は、地元の業者をいち早く現場に手配し、復旧作業などをしないといけません。その他の仕事には、土壌、田んぼの整備など、農業系の土木の仕事もあり、様々な仕事に携われます。

藤井さん

インフラの整備や維持管理は、もちろん重要です。

さらに言うと、インフラを通じて、地域の方、民間企業の方とやり取りをして経済活動をすることも重要です。これは、建設産業の活性化や世の中のステータスを上げることにつながります。

建設業に携わる人や公務員だけではなく、民間企業の人も、コンサルタントの人も社会に貢献しているという部分を見えるようにすることも僕らの役目です。

土木技術職は、現場で働くことがあると思うが、やはり学生の中でも公務員全体のイメージとして、ずっと椅子に座っている、オフィスワークが多いイメージを持っていると思うので、実際はどうなのですか?

津茂谷さん

そういうイメージを持っている方も多いと思います。

土木に関しては、現場に行って監督したり、現場を確認したりするので、ずっと座っているというのは、全く当てはまらないです。もちろん、人によって一日のスケジュールが違うので、丸一日外におられる方もいれば、半日だけ外におられる方もいます。

藤井さん

夕方まで仕事して、その後、夜に地元の説明会に出かけてっていうのは何回もあります。なので、決して椅子に座っている時間が長いかというと、全然そんなことはないということを知っておいてほしいです。

土木技術職の仕事のやりがいや魅力は、どういうところにありますか?

津茂谷さん

地図に残る仕事とはよく言いますが、それは当然私も思います。やっぱり自分が関わった現場の工事が完成して、一般の人が歩いたり走ったり、利用したりするのを見ると、達成感や役に立っているなと感じることができるところです。

例えば、川の工事を行った時は、役に立ったなと実感しました。工事前、その川は少しの雨でも降ったら、すぐあふれてしまうような川でした。その工事を終えると、多くの雨が降っても何とか流れるようになった時は、頑張った甲斐があるなと感じました。

今、地元の県庁か、鳥取県の県庁のどっちを目指そうか迷っています。
他県ではなく、鳥取県の県庁で、土木技術職として働くことの良さ、魅力はどういうところにありますか?

津茂谷さん

鳥取県は、一言で言うとちっちゃい県です。土木技師を含めても職員は少ないです。鳥取県の場合だと土木技師が330から350人ぐらいで、一つのちっちゃな小学校ぐらいの職員がおります。これが東京とか国になると普通に1000人とかになると思います。ちっちゃな学校ぐらいの職員の数ですので、みんな顔見知りで、わいわいやりながら仕事ができるっていったところが魅力の一つです。

職員の数が少ない分、様々な仕事に携われるところも魅力です。道路の工事、川の工事、港の工事など様々です。逆に、職員の数が多いと専門性を高めるせいか、道路だけ、川だけを担当するというような職歴を重ねることになるかと思います。そういうところが他の県と鳥取県は違うかなと思います。

藤井さん

一番小さい県なのは間違いないですね。地方自治体っていう単位で考えたとき一番大きいのは県ですが、その次に市町村があります。「総合幹事」という言葉は聞いたことがありますか?鳥取県庁は縦割りではなくて、横の横断的な情報交換がやりやすい職場です。

職員の数が少ない分、土木だけじゃなくて、農林、福祉、教育、商工といったようなところの枠組みの人たちからの情報も広く入ってきます。出先の機関に行くと、いろんな人が地域にいろんな解決策を持って臨んでいます。それを近くで見ることができます。

地域自体を元気にする手段として、土木が一つの歯車ですが、違う小さな歯車が見られるところがちっちゃい自治体になればなるほどよくわかります。なので、いろんな人と仕事をするので、いろんな仕事の種類も見られるっていうのも、ちっちゃい自治体の特徴であり、魅力であると思います。

金銭面、仕事の実感ややりがい、仕事の種類、自分の性格などが、ちっちゃい鳥取県ならではの特徴と相性がいい人は、より楽しく働ける職場だと思います。

津茂谷さんと藤井さんは、なぜ47都道府県の中から、鳥取県を選んだのですか?
鳥取県庁を目指すきっかけとなったターニングポイントとかがあれば教えてください。

藤井さん

僕は昭和63年度の鳥取大学農学部に、昭和の最後に入学しました。最初は理科教員になりたくて、バイオを学んでいました。農学部のコース選択の時に、森林土木系といって土木コンサルタント系の研究室の所属になりました。それで就職先は砂防工学や農業土木とか、そういった職種にしぼられました。

大学で研究をしているときは、バブル絶頂期だったので、民間の内定と公務員の内定、国家も通れば自治体も内定がバンバン通っていた時期でした。それもあって、某大手コンサルに内定が決まっていて、職場は東京で面接してシンガポールまで決まっていました。その後、鳥取県庁の内定が通ったときに、家族と地元鳥取のことを考えた時に、やっぱり地元に残りたいと思い、鳥取県庁を選びました。

私が内定をもらった某大手コンサルは、シンガポールの都会のところで働くわけではなくて、熱帯雨林の中を、測量していき、地質開発とかリゾート開発をするような仕事の感じだったので、すごく大変だけど非常にやりがいのある仕事だったのかなと思います。しかし、民間の内定が通ったときが一つのターニングポイントだったのかなと思います。

津茂谷さん

私は鳥取大学ではなく、地方都市の山梨の方の大学で土木を学びました。最初から一応土木で何かするのかなと思っていました。

土木だと、まず民間と行政のどちらを選ぶかは重要なところです。民間は、全国の大手か準大手、ローカルの大手かで悩んでいました。実際、現場で作るものは同じにしても、そこ現場で携わるときに、異動や転勤など、将来のライフスタイルがどうなるのかを考えました。大手は、全国、国外に行ったり来たりで、一方、国家公務員は、全国都道府県に行ったり来たりします。県庁に行けば県内にいられるので、その中で自分が今後どう生活していきたいかを考え、いろいろ天秤にかけた時に自分の中では県かなということで、地元の鳥取県庁を選びました。

一応、自分がいた山梨県の県庁も天秤に図りました。山梨に住んだ時に、どういう生活をするのかなと考えました。当然良い点もあれば、良くない点もあると思いました。どういうライフスタイルになるか、遊び方はどうなるのか、何がしたいかなど、どんな生活がしたいかなどを考えた時に、いろいろ悩んで、最終的に鳥取県庁を選びました。

他の県とあまり差がないというと怒られますが、どの地方都市も、東京の人から見たら正直差はないと思いますが、地方なりの良さはあります。

就職を飛び越えて先を考えるというのは、学生の方には難しいと思います。しかし、就職して20年経つとやっぱりこの仕事は仕事ですけども、やっぱりこの生活、家族が何よりですね。やっぱりそういうところを重視する時があります。今、想像しろと言っても難しいと思いますが、生活のしやすさや楽しさというのは、人それぞれなので、仕事だけではなく、自分の生き方を含めて仕事を選んでいただけるといいかなと思います。

さきほどのお話を聞いていると、鳥取県庁がいいという風に話されている感じなのですが、鳥取県内を主に移動する小さい建設業とかへの就職は考えなかったのですか。

津茂谷さん

行政(県)だと計画やまち作り的なプランニングができますが、建設業者(民間)だとそういうところにはなかなか携われないです。その差があって行政にしたというところです。地方の行政でも、市ではなくて、なぜ県かというと、やっぱり携われる仕事の種類が、土木の中でもより多いというところがあり、県庁を選びました。なので、行政でも市役所に行く人は、より細かな行政の要請をしたいという思いで市役所に行ったりしています。私はその差で県庁の方を選んだという感じです。

藤井さん

僕の場合はもともと農林主だったので、林業行政を伴う農林技師なので、市町村という選択はありませんでした。県内民間だと、住宅メーカーとかになってしまうので、林業関係で言うと、なかなか他の道が思い浮かばなかったので、県を選んだ感じです。

Part.2へ続く